筑波大 STEAM Leadership Program

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第14日目 山中 敏正氏 講演

14日目 山中 敏正氏 講演

12/3(火)『デザインによる課題創造と感性科学によるこころの理解』を講義

デザインは課題解決方法の提案だと考えられているが、その本質は設計やマーケットリサーチでは発見できない課題を創出することである。自ら課題創造を行い、その課題の重要性を示す技術がデザインを構築している。他方で、良いデザインは心のメカニズムを客観的に認識することで伝わり、感性科学の立場からこれを理解してきた経緯を説明していただいた。

感性の歴史は意外にもまだ浅く、感性という言葉が登場したのは1857年、英語のSensibilityを初めて「感性」と訳した日本最初の西洋哲学者、西周(にしあまね)。その後1986年「感性工学」の日本における創始者は工学者の長町三生。その時、感性工学を使って造ったマツダのロードスターが有名だそうだ。その2年後に「感性科学」が推進され学術分野が確立され現在に至るそうだ。

感性って、簡単に言えば、意識前に処理される心のプロセス=経験や情緒を含んだ意識できない心の部分から何らか意味をもった情報を説明がなされるようなプロセスをいう。

もっと簡単に言えば、情報や知識の返還プロセス。創造とは、非意識的知識を形や情報に変換すること、そのために記述的な知識と暗黙的な知識の返還も必要。デザイン行為は、暗黙的な知識や体験的な知識を直接形に表す事が多い。

日本における、感性工学は我々の生活にかなり役立っている事が分かった。身近なものでいえば、缶コーヒーの開け口。昔は缶を開けた部分が指に残っていた。現在は開け口が押されその破片は指に残らないようになっている。ゴミの軽減だ。さらにネールが流行り、爪が折れないよう微妙につまみのところが上向きに傾き、缶の表面は下がっているとの事。知らないうちにマイナーチェンジを繰り返しされているのも知らずに使っていた。

山中先生いわく、課題創造をするには、ひらめきを科学し、問題を起こしてみようが先!問題を想像しよう!その中で創造性を広げやりたい事が出てくる!感性が鋭い人は、良い体験がたくさん残っていてその知識を繋げる事が上手な人。目利き力も大切、いち早く問題に気付いて創造していく!事かな~。と優しい眼差しで語って下さった。

 

 

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