筑波大 STEAM Leadership Program

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第13日目 平山 素子氏 講演

13日目 平山 素子 氏 講演

11/26(火)『舞踊(ダンス)創造から感じる根源性と先端性の共存』を講義

テクノロジーが進歩することで、様々な利便性を手に入れたが、人間の身体の「感覚」がより強烈に問われるようになってきている。人間はとかく世間観が強いので、内在的な要求を表に出す機会が少ない、内存するものを表現するよい機会となった。この日の講座は場所もスタジオを借りて、いつもと違った感じで始まった。ダンスをするのか?不安もあったが、ウォーミングアップから始まり知らないうちに、身体を基盤とし創造し表現することの魅力と可能性を体験していた。

竹ひごを使ったウォームアップでは、複数の条件下で体を動かすと、その処理に思考ウェイトがいってしまい身体が止まってしまう。動作に考えを巡らすと末端への集中が途切れてしまう。自分の身体なのに自由に動かないもどかしさを感じた。実技ではダンス創作をしてみた。メンバーで挙げた基本動作36個から動きを選択できるにも関わらず、何をしたらいいものかとかなり悩む。 “これならできそう”、“これならサマになりそう”といった打算が働くが、「何を表現したいか」を考えると自然と構成は組み上がった。

我々のダンスは、「舞踊」かどうかはまだ微妙とのことだったが(おそらく、前述したような「何故この動きを選んだのか」という理解と表現をまだ持ち得ていないと理解)、何かしらのストーリー・思想を感じる踊りを披露した方もいて、各メンバーの意外な一面を垣間見ることができた。ただ、まだ「自分の知っている/できる動き」の範囲で構成されがちだったので、みな恥ずかしがり屋なのかもしれない。

平山先生は、「これからの時代、脳だけでも生きられるかもしれないが、“身体を通しての感覚(五感)は本当になくてもいいのか?”を考えて欲しい」とおっしゃっていたが、今の時点で、すでに脳と身体の紐づけの曖昧さを感じた。「人体は新しい環境刺激に対応して新しい性質を作る=常に進化している」とのお話だったので、進化のためにも、自分の感覚と向き合おうと思う。

授業の中で印象的だった言葉は2つ
1つ目は、「面白い」「楽しい」などの単純な受け取り方(impression)だけでなく、「それは何故そう思ったのか」という根源の理解に至らないと、正しく表現(expression)することができない。
2つ目は、「表現/理解できなくて申し訳ない」といった反省だけでは成長はない。日本人は自己反省ばかりする。思い当たる事だったので印象に残ったのだろう。

 

   

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